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ズワイガニを調べていると、「香箱ガニ」「セコガニ」「せいこがに」という名前に出会います。どれもズワイガニのメスの呼び名で、オスとは大きさも漁期も食べどころも違います。この記事では、公的機関の資料をもとに両者の違いを整理しました。読み終えると、通販で「オス」と「メス」のどちらを選ぶかを自分で決められます。まずは下の比較表から見てください。
この記事の結論
- オスとメスは同じズワイガニで、呼び名は地域ごとに違う。福井は「せいこがに」、石川は「コウバコガニ」。
- メスは小ぶりで漁期が短い。福井では例年、オスが3月20日まで、メスは12月31日まで。
- 脚の身やカニみそを楽しみたいならオス、内子と外子を味わいたいならメスが向く。
目次
ズワイガニのオスとメスは何が違う?
同じズワイガニでも、オスとメスは別の食材と考えると選びやすくなります。通販の商品ページでは、オスは「松葉ガニ」「ズワイガニ」、メスは「セコガニ」「香箱ガニ」などの名前で並びます。違いが出るのは、体の大きさ、漁ができる期間、呼び名、食べどころの4点です。
| 項目 | オス | メス |
|---|---|---|
| 福井県での呼び名 | 硬がに(脱皮直後の水がにを除く) | せいこがに |
| 石川県での呼び名 | ズワイガニ(加能ガニ) | コウバコガニ(香箱ガニ) |
| 兵庫県などで聞く呼び名 | マツバガニ(成熟したオス) | セコガニ |
| 福井県の例年の漁期 | 11月6日〜翌3月20日 | 11月6日〜12月31日 |
| 体の大きさ | 大きい | 体は小さい(福井県の説明) |
| 食べどころ | 脚の身、カニみそ | 内子、外子 |
福井県「冬の味覚の王者『越前がに』」(2021年11月更新)、石川県水産課「石川の四季のさかな」、神戸新聞(2020年2月26日)の記載をもとに作成。漁期は年や海域で変わるため、当季の日程は各県の発表で確認してください。
ポイント
呼び名は産地ごとに違っても、種類は同じズワイガニです。「セコガニ」「香箱ガニ」「せいこがに」はどれもメスを指します。
メスの呼び名が地域ごとに違うのはなぜ?
ズワイガニは日本海側の複数の県で水揚げされ、各地の漁港で育った呼び名が今も使われています。通販サイトの商品名も、産地の呼び方がそのまま使われることが多くなります。
福井県は「せいこがに」
福井県の公式ページでは、福井県の港で水揚げされたズワイガニを「越前がに」と呼びます。その中でオスは「硬がに」、メスは「せいこがに」とも呼ばれると説明されています。水揚げ漁港が刻印された黄色いタグが付き、産地の証明になります。
石川県は「コウバコガニ」、兵庫県は「セコガニ」
石川県水産課の案内では、石川県ではオスをズワイガニ、メスをコウバコガニと呼び分けています。兵庫県但馬の漁港を取材した神戸新聞の記事には、マツバガニ(成熟したオス)と並んで「雌セコガニ」という呼び方が出てきます。
鳥取県水産試験場の漁況資料では、メスは「親がに(雌)」と書かれています。商品名で見慣れない呼び名に出会ったら、メスを指す地域名と考えて問題ありません。
メスの漁期はなぜオスより短いの?
メスの漁期が短いのは、資源を守るためです。水産庁の資料「底びき網漁業におけるあかがれい・ずわいがにの資源管理」には、日本海西部で行われている管理の内容が整理されています。
- 公的な操業期間は、オスが11月6日から翌年3月20日、メスが11月6日から翌年1月20日。
- 漁業者の自主的な取り組みとして、メスの採捕期間を11月6日から12月31日までに短縮。府県によっては12月29日まで。
- メスのうち、産卵後まもない「アカコ」と、未成熟の「マンジュウガニ」は採捕禁止。
- オスは甲幅9cm未満、メスは腹節の内側に卵を持たないものの採捕を禁止。
水産庁資料(令和5年漁期のTAC記載のある資料4)の記載。年度や府県により運用は異なります。
注意
メスの漁期は、オスより1〜3か月ほど早く終わります。年明けに「香箱ガニ」を注文しようとしても、産地直送の生のものは手に入らない場合があります。冷凍や加工品は商品ページの水揚げ時期と加工地を確認してから選んでください。
兵庫県の例では、マツバガニとメスのセコガニを合わせた漁獲が、国から県に割り当てられた漁獲可能量の8割超を11〜12月で使い切ったと報じられています。漁期の前半に漁獲が集中するのも、メスの時期が限られる背景のひとつです。
内子と外子とは?メスならではの食べどころ
メスを選ぶ最大の理由は卵です。甲羅の内側にある卵を「内子」、腹側に抱えた卵を「外子」と呼びます。
石川県水産課は、酢醤油で食べる甲羅の中の未成熟卵(内子)を絶品と紹介しています。福井県の公式ページでも、メスは体が小さい一方で、プチプチした食感の外子と濃厚な味わいの内子を楽しめると説明されています。
水産庁の資料では、産卵後まもなく卵がオレンジ色のものを「アカコ」と呼び、孵化が近づくと茶黒色に変わると整理されています。商品として出回るメスは、こうした資源保護のルールを守って漁獲されたものです。
メモ
オスのうち、脱皮直後で殻が柔らかいものは「ミズガニ」「若松葉ガニ」と呼ばれ、マツバガニと区別されます。メスと名前が似て見えるので、商品名の「オス・メス」の表記も合わせて見てください。
通販ではオスとメスのどちらを選べばいい?
選ぶ基準は、食べたい部位と食べる時期です。脚の身をしっかり食べたい、カニ鍋で使いたいという場合はオスが向きます。内子と外子を少量ずつ味わいたい、お正月前の限られた時期に楽しみたいという場合はメスが向きます。
メスは体が小さく、1杯あたりの身の量は控えめです。人数や食べ方に合わせて、内容量を先に決めておくと選びやすくなります。脚の身を主役にしたい人には、メスは向いていません。
- 商品名に「オス(松葉ガニなど)」「メス(セコガニ・香箱ガニなど)」のどちらが書かれているか
- 内容量が「杯数」か「重量」か、殻付きか正味か
- 水揚げ漁港と、生・ボイル・冷凍のどれか
- お届け日が、産地のメスの漁期内か
産地の比較はズワイガニとタラバガニの違い、時期の確認はカニの旬カレンダー、各県の解禁日はズワイガニの解禁日と漁期で整理しています。購入前は、公式サイトで最新の商品情報を確認してください。
よくある質問
セコガニと香箱ガニは同じですか?
どちらもズワイガニのメスを指す地域名で、同じ種類です。石川県では「コウバコガニ」、兵庫県の報道では「セコガニ」、福井県では「せいこがに」と呼ばれます。
メスのズワイガニはいつまで漁ができますか?
産地と年によって違い、福井県の例年のスケジュールでは12月31日までです。水産庁の資料では、公的な操業期間は翌年1月20日までで、自主的に12月末や12月29日までに短縮している例が示されています。
ミズガニとはオスですか、メスですか?
オスです。ズワイガニのオスが脱皮した直後で、殻が柔らかく、身の水分が多い状態を指します。メスの呼び名ではありません。
まとめ
ズワイガニのオスとメスは同じ種類ですが、大きさ、漁期、食べどころがはっきり違います。呼び名は福井の「せいこがに」、石川の「コウバコガニ」、兵庫の「セコガニ」のように地域で変わります。
脚の身とカニみそを楽しむならオス、内子と外子を味わうならメスが向いています。メスは漁期が短いので、注文前に水揚げ時期と産地、内容量を公式サイトで確認すると失敗を防げます。
