毛ガニが届いたものの、毛だらけの甲羅を前に手が止まる。ズワイガニより小ぶりで毛が硬く、初めての人ほど戸惑う場面です。流れは意外に単純で、脚を外し、ふんどしを外し、ガニを取り、胴を割る、の順に進みます。この記事は、軍手とキッチンばさみで進める手順と、身を残さず食べるコツを説明します。みそまでおいしく食べきるための準備も紹介します。
この記事の結論
- 毛が硬く尖っているので、軍手をはめてから作業を始める
- 脚、ふんどし、ガニ(えら)、胴の順に進めると迷わない
- 細い脚や爪先は、麺棒を転がして殻をつぶすと身が出る
- 解凍は冷蔵庫でゆっくり。氷の膜を洗い流してから始める
目次
毛ガニをさばく前に知っておきたいことは?
北海道の公式ページによると、北海道のケガニは雄の甲長8cm以上が漁獲サイズで、雌は漁獲禁止とされています。食卓に届く毛ガニは雄が中心で、資源を守りながら獲られたカニです。特徴と産地は毛ガニとは?特徴・産地・おいしい時期にまとめています。
通販の毛ガニは、ボイル済みの冷凍で届く商品が一般的です。購入時に茹でてあるものは、解凍すればそのまま食べられます。『サライ』の解説では、甲幅約20cm、重さ約500gのサイズがいちばんおいしいとされ、家庭で扱いやすい大きさでもあります。
ポイント
解凍は冷蔵庫に入れ、時間をかけて行います。通販の冷凍毛ガニでは、12〜24時間程度が一般的な案内です。氷の膜は水で洗い流し、袋に入れて甲羅を下向きにしておくと、みそがこぼれにくくなります。
毛ガニのさばき方は?手順を順番に
作業を始める前に、まな板の下に濡れ布巾を敷くと台が動きません。大皿を2枚用意し、1枚は切り分けた脚、もう1枚は殻を入れる用にすると、食べ終わった後の片付けが短くなります。
1. 脚を切り分ける
『サライ』の手順では、腹を上にして、関節から少しずらした位置で脚を切ります。毛ガニの毛は硬く、刃先が滑りやすいので、軍手で甲羅を押さえながら進めます。切った脚には縦に切り込みを入れ、殻を開いて肉を手で取り出します。
2. ふんどしとガニを外す
脚を外したあと、甲羅から「ふんどし」と呼ばれる腹側の部分を外します。その後、甲羅から中身を引きはがします。胴の左右にある灰色の「ガニ」は食べられないので取り除きます。
3. 胴を割って、みそと身を取り出す
中身を二つに切り、蟹味噌を取り出します。脚の付け根にも肉が詰まっているので、忘れずに取り出してください。甲羅に肉と脚の身を盛り付けると、見栄えのよい一皿になります。みその楽しみ方はカニ味噌の食べ方と甲羅焼きで紹介しています。
| 順番 | 作業 | 使う道具 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|---|
| 1 | 脚を関節ごとに切る | キッチンばさみ | 毛で手が滑る。軍手で押さえる |
| 2 | ふんどしを外す | 手 | 勢いよく引くとみそがこぼれる |
| 3 | 甲羅から中身を引きはがす | 手・ばさみ | 甲羅を傾けず水平に保つ |
| 4 | ガニを取る | 手 | 灰色のひだは食べられない |
| 5 | 胴を二つに割る | ばさみ・包丁 | 身が崩れないよう縦に切る |
手順は『サライ』毛ガニの解説(2017年1月号の転載)にもとづき整理しました。
細い脚や爪の身は、どう取り出す?
毛ガニの脚は太い部分と細い部分で殻の硬さが変わります。太い部分はばさみで切り開けますが、先端の細い部分は刃が入りません。細い脚や爪先は、麺棒やすりこぎを転がして殻をつぶし、肉を押し出すと、きれいに身が出ます。
押し出すときは、脚の根元側から先端へ向かって少しずつ転がします。台の上に布巾を敷くと、殻の破片が飛びにくく、片付けも楽です。
道具の使い分けはカニの殻のむき方が参考になります。ズワイガニのむき方も、麺棒で押し出す手順以外はほぼ共通です。
注意
毛ガニの毛と殻の縁は鋭く、素手で触ると手を傷つけます。軍手を着け、ばさみは自分と反対の方向へ動かしてください。小さなお子さんがいる家庭では、大人が脚をむいてから渡すと安心です。
毛ガニを温め直したり、焼いたりしてもいい?
購入時にボイル済みの毛ガニを再度茹でると、旨みが流れ出ます。HugKumの解説でも、ボイル済みのカニを温めたいときは、再度茹でず焼きガニが勧められています。ボイル済みは、解凍してそのまま食べるのが基本です。
焼く場合は、さばいて殻を開いた状態でグリルに入れ、軽く温める程度にします。焼きすぎると身が締まって水分が抜けるので、様子を見ながら火から下ろしてください。焼き方の詳細は家で焼きガニで説明しています。
温め直すときは、中心まで十分に加熱してください。厚生労働省は、温め直しの目安を75℃以上としています。冷たいまま食べる場合は、解凍後その日のうちに食べきります。
- 軍手とキッチンばさみ、麺棒を用意した
- 冷蔵庫で12時間以上かけて解凍した
- 氷の膜は水で洗い流した
- ガニ(灰色のひだ)は取り除いた
- 解凍後は当日中に食べる計画にした
脚の付け根の肉は見落としやすい部位です。『サライ』の手順にも、付け根の肉を取り出す工程が入っています。ここを残さず取り出せるかどうかで、1杯から食べられる量が変わります。
食べ終えたあとの殻は、においが出やすいので、ビニール袋に入れて口をしっかり縛ります。殻でだしを取る場合は、水から煮出して濾すと、雑炊や汁物に使えます。
毛ガニが向いている人、向いていない人は?
毛ガニは、みそと身の甘みをじっくり味わいたい人に向いています。殻をむく時間も食事の一部と考えられる人なら、満足度は高くなります。サイズが小さい分、1杯あたりの身の量は多くありません。人数が多い食卓では、他のカニと組み合わせる選び方もあります。
反対に、手早く食べたい人や、殻をむく作業が苦手な人は、殻をむいたポーション商品のほうが合います。比較の視点はポーション・カット済みと姿、どっちを選ぶ?で整理しています。
よくある質問
ガニはなぜ食べられないのですか?
ガニは魚のえらにあたる部位で、食用にはしません。『サライ』の手順でも、灰色のガニは食べられないので取り除くと書かれています。見つけたら必ず外してください。
解凍後、すぐに食べきれないときはどうしますか?
冷蔵庫に入れて、その日のうちに食べきるのが基本です。解凍した冷凍食品の再凍結は、農林水産省が避けるよう案内しています。保存の考え方は余ったカニの保存方法を確認してください。
カニみそは毎回食べてもよいですか?
体質や持病によって、控えたほうがよい場合があります。気になる症状があるときは、医師に相談してください。
まとめ
毛ガニは、軍手、脚の切り分け、ふんどし、ガニ、胴の順に進めるだけで、家庭でもきれいにさばけます。細い脚は麺棒で押し出し、ボイル済みは再び茹でずに解凍して食べると、本来の甘みが残ります。
購入前は、公式サイトで商品のサイズ、内容量、ボイル済みか生かを確認しておくと、食卓で迷いません。